医療事務で食っていく

医療事務(男)が院内でのさまざまな一例の紹介やその他成長につながったノウハウ等残せればと思います。

医事課長になるには

医療事務で大きく年収を上げる一つの手段として職階を上げる方法があります。

…ですが、もし職場が副業認めてくれるのならそちらの方を圧倒的にオススメします。

責任ほぼなし、自分の好きな副業しつつ病院から固定で給料貰えるならそれに越したことはありません。しかし大抵の病院は副業を認めてはいないでしょう。 

 

今回は年収を上げるための医事課長への道のりや他病院に転職について、自分の思った事を極端ではありますが書いていきたいなと思います。

 

まず病院の事務の職階は大体こんな感じでしょうか。

平⇒主任⇒(係長)⇒医事課長⇒事務次長(事務局次長)⇒事務長(事務局長)

 

次に細かい雑用を除いた医事課主任(係長)の業務をまとめてみました(超簡潔)

 ・各単位のリーダーとしてマネジメント

 ・課長の補佐

 ・請求業務

 

そして医事課長の業務をまとめてみました(超簡潔)

 ・医事課全体のマネジメント

 ・請求業務統括

 ・他部署との調整

 ・施設基準関係

 

ここで先に結論を書きますが、出世したいにせよ転職にせよどちらかと言えば外来担当より入院担当をお勧めします。

なぜかというと、入院請求の時に勉強させられるであろう施設基準についての知識は、職階を上げる為には必須であると同時に、どこの病院でも通用する知識でもあるため、転職にも有利だからです。 

 

医事課長になると業務内に記載している施設基準というのを知っているのが前提になります。

施設基準とは…というのを知らない方に説明すると長々となるのですが、日本の医療は法律に基づき診療報酬を1点10円として扱っており、全国どこで診察を受けても(大病院は紹介状がないと実費が発生しますが、)初診料自体の点数は同じ270点(平成30年4月時点)です。

しかしどの開業医もホイホイと請求していいわけではありません。点数を算定するには、十分な医師・看護師の人数や施設の充実さについて一定の基準を満たす必要があります。

そして基準を満たしているという実績(医師・看護師の人数や、一定数以上の症例等、診療行為により様々)を地方厚生支局へ届出し、受理されないと患者へ請求できません。

入院料やCT、MRI撮影等も点数もそういった届出を行っているから請求できるのです。

 医事課長は自分の勤めている病院の収益を上げるために1000ページ超の診療報酬点数表を読み込み、算定できそうな項目があれば、施設基準を満たすための必要な条件を上司や他職種へ届出しませんか?と提案する役目を担います。

収益の変動が一番大きく、各部署を巻き込んで一番もめるのは病棟の入院料関係であり、医局・看護部長を丸め込まないといけない重要な場面もあるでしょう。 

 

つまり、医事課長や課長を補佐する主任・係長へ職階を上げるためには診療報酬点数表というのを読み込まざるを得ないことになります。

ここで平と役職者になるかの瀬戸際は課長や他職種と点数表について議論・提案ができるかどうかだと思っています。それかよほどのコネかカリスマがあるかですかね。

 

議論・提案ができるくらい本を読み込んでると大抵の病院に転職しても活躍できます。実際の入院請求や手術算定経験があると更に転職に有利です。

 

受付>外来業務経験あり>入院・手術請求経験あり>施設基準知識豊富 とステップアップし自分の価値を希少化させましょう。

医療事務応募するにあたり医療事務資格が必要かどうか

件名についてですが、結論全く必要ありません

医療事務やりたいから資格取らないとって考えは捨ててください。

面接で資格があるとドヤ顔しても面接官はふーん、なるほど…という薄い反応です。

採用側で若い新人が欲しい、経験者が欲しい、管理職候補が欲しい等で状況は違うでしょうが、それを決定的な理由として採用する事はあんまりないです。

 

僕から言える理由は3つです。

理由①:医療事務の資格は業務独占資格ではないから。

つまりは資格がなくても問題ありません。(業務独占資格とは、医師や看護師は業務独占資格であり、医師免許証を持っていないとそもそも医療行為・指示自体行うことができないというものです。)

 

理由②:CMでやっている講座にお金払って得る資格レベルの知識は、その分野に関して言えば実務を数ヶ月こなしていれば実務で叩き込まれているレベル。

…しかも給料もでますし、いっそ辞める前提で勤めた方がよほど勉強になります

 

理由③:資格持ってても持ってなくても教育コストはだいたい同じだから。

資格があったところで机に座ってハイ業務できるね、ってわけでは当然ありません。

電子カルテの使い方、その他アプリの使い方の説明、会計処理のやり方は、、、みたいなのを教育係が付き添いますが、教える内容はほぼ同じです。

結局個人の問題で、センスがある人は全くの経験なしで半年で外来部門の殆どををさばけるようになりますし、逆にセンスがない人はそのまま資格持ってても数年受付のみしかできない、ということもあります。

面接官や管理職は結局センスだっていうのを当然知ってます。

 

ではどんなところをPRすればいいのかというと、おそらく面接で得意か聞かれるとは思いますが、医療事務のほとんどはデスクワークです。PCスキルあると仕事を覚えるのが早いのでif・sum・countaくらいの簡単な関数程度でいいのでExcel・Wordが得意と言っておけばいいんじゃないかなと。

また、普通の会社と同じようにこれまでの職歴だったり、コミュニケーション力とかアピールしたほうがはるかに採用されやすいですよ。

 

医療事務の年収について

医療事務をこれからやりたいって方は現場からの声ということで知ってて欲しいのですが、はっきり言うと医療事務の年収は相場が低いです。

残業やらないと年収350万、初年度に至っては年収300万超えることすら難しいです。

経営者からしたら医師や看護師と違い何もお金を生み出さない事務にお金を払うのは嫌、他の病院の募集でも賃金が低いからうちも、、、みたいなところでしょう。

一人暮らし、共働きならまだしもそれで男性が世帯を養うのはほぼ不可能です。

 

男性でその年収はキツイと思うのですが、特にキツイのがクリニックや中小規模の病院は基本給の昇給基準があいまいなところです。微妙な昇給テーブルだったり、号棒表や人事考課なにそれ?みたいな病院もあります。院長や事務長、課長の好みなのです。

 

ちなみにそれなりの病院だと経験年数5年・医事課主任で残業込みで350万~400万、経験年数10年・医事課長まで職階が上がると、いいところだと年収500万は超えると思います(年収400万超えないような見込みの病院お勤めなら即効で辞めてください。)

 

もしこれから病院に勤めたい、興味があるというのであればそういう一面もあるというのを知っておいていただければ幸いです。

 

医療事務で男は食べていけるのか

学生も転職考えている人も医療事務やろうとしている方って何気に多いと思います。

CMでよくある資格講座なんてのもありますよね。

採用面接では様々な方とお会いしました。看護師等の免許は持っていないが医療に関わりたい、人と触れ合うのが好き、一般事務にいい求人ない、営業が嫌だ、病院だから安定している、etc…

圧倒的に女性からの応募が多いですが、中には男性もいます。

病院を知らない男性からの主な印象はこんな感じでしょうか。

 

①そうそう潰れない、安定

②女性が多いから働きやすい

③営業に行かなくていい

④お局職員以外のパワハラ少なそう

 

ほぼ当たってますが、残念ながら補足があります。特に民間病院。

ネット社会の今となっては御存じの方も多いとは思いますが、私からも口は悪くなりますけれども記載しておきます。

 

①そうそう潰れない、安定(だがその代わり平だと定年前でも残業入れて年収400万いかないかもだから覚悟しましょう)

 

②女性が多いから働きやすい(がそれは看護師・コメディカルの話で医療事務は別。病院ヒエラルキーでは免許を持っていない医療事務が最底辺

 

③営業に行かなくていい(が医療事務の営業相手は患者はもちろん医師や看護師相手が正直一番きついです)

 

④お局職員以外のパワハラ少ない(が、なぜか喧嘩腰の看護師から役職すっとばして平に指示なんてザラだし、一部の勤務医はまるで人事権持ってる役員みたいな言い方で辞めさせろなんて言ってきます。)

 

みたいな感じです。

ネットで情報の少なかった時代、新卒で入った自分は見事に理想と現実の違いを思い知らされました。

 

特に年収上がらねぇwwwと。

 

詳細や愚痴はまた今度。

はじめに

はじめまして。

当ブログでは病院事務職員(医療事務、用度、システム、雑用)として10年間勤務した自分の中での結論や考え方、愚痴、趣味でやってる株の話でも書いていこうかと思います。

今は地方都市の200床の病院で勤務しています。

大病院、クリニック、一般的な会社とはおそらく全然違う箇所もあるでしょうが、違うなら違うやんけwで捨ておき、同じなら同じで医事課あるあるwとして思っていただければ。

医療事務経験者以外の方はこんな苦労があるんだなと思っていただければ幸いです。